外国人プロレスラーはどういう基準で呼ばれるのか…プロ野球との違いは?

   

助っ人外人。

これは、プロ野球の世界でよくある話題です。

日本で活動する日本のプロスポーツチームに、異国から助っ人的にやってくるという、あれですね。

そもそも、何で日本人だけでやらないのかというと、タマ不足ということもあるかもしれませんが、視覚的、感情的な効果もあるでしょうね。なんだか、海外からすごいのが来るらしいぞ、と。

メジャーリーグからやってくる髭面の大男、なんていうケースなんかは、まさにそんな感じですし。

なんでしょう、日本人って、特に、メリケンからの黒船的なものに弱い歴史があるんですよねえ。

で、

プロレスの世界にも、助っ人外人というジャンルはあります。

ブールーザーブロディ、アンドレザジャイアント、テリーファンク、スタンハンセン、ミルマスカラス、などなど、いろんな外国人プロレスラーがこれまでに日本のマット界に現れてますよね。

ああ、タイガージェットシンもいましたね。伊勢丹で猪木を襲撃したのは当時、衝撃的なニュースとして報じられましたが、危険な香りがプンプンしましたね、タイガージェットシンって。本当に悪いやつ、みたいな。

で、野球の世界と違って、彼らは悪役、敵役として登場することが多いですね。日本人の敵は外国人だ!!っていう、わかりやすい図式のために呼ばれるわけですね。

これは、逆もあります。アメリカのプロレスに、日本から遠征してきた若手が出場する時は、やはり悪者ですからね。

ザグレートカブキも悪役でしたし、馳浩なんてカナダでベトコンエキスプレスなんていうトンデモない名前のヒールユニットで活動してましたからね。グレートムタも、善人ではないでしょうし。

まあ、これは中国の抗日映画でも同じです。とにかく、同胞が大事だという。普通に考えたらよくないことなんですけど、プロレスの場合はギミックですからね。ある程度は、許容されるのでしょう。

そして、日本にやってくる外国人プロレスラーの、選考基準ってどんなものだと思いますか?

まず、ビジネス的に考えて、ネットワークのつながりがあるか、ということが挙げられますね。

新日本プロレスだったら、現地にスカウトがいるんですよ、日本人の。あと、マサ斎藤が独自の人脈を使う場合があります。スコットノートンなんかはマサさん経由ですからね。

そして、日本人レスラーとの相性も考えますよね。例えば、アメリカンプロレスが色濃いレスラーって、日本のマット界ではちょっと難しい気がしますね。

日本のプロレスは、ショー的要素をうまく隠して、本当の戦いを疑似体験できるように巧妙に構築されている印象があります。

アメリカの場合は、試合前のマイクアピールがやたら長くて、試合というよりはエンタメ!って感じですね。

これは色々としがらみもありまして、アメリカでは、スポーツの試合よりも興行の方が税金が安くなるんですよ。だから、これはガチではありません、とアピールする必要がいくらかあるんですね。だから、あんな面白おかしい演出をするわけです。

一方、日本のプロレスはガチ感、本当感がすごくあるので、なんというか、日本人のわびさびもあるというか。

そこにフィットするレスラーが必要なわけです。

ハンセンとかテリーファンクはそれができた人だと思いますね。

あと、悲しい最後を遂げたペガサスキッドとか、あと、スコーピオなんていう人もいましたけど、そのへんの人は日本向きでしたよね。あと、ディーン・マレンコとか。

すると、地味で脇役的なのがいいんですかねー。

 - 星野コテツ的プロレス論