何故、実況のアナウンサーはプロレスラーに襲われるのか?

   

プロレスラーの本分は、試合相手のプロレスラーと戦うことです。

これは、アメリカ軍と日本軍がかつて戦ったように、同じ立場の『同業者』との間で起こっていることであります。

他スポーツの世界でも、サッカー試合はサッカーチーム同士でやりますし、フェンシングの試合だって、サーベルを向けるのは相手の選手に対してです。

そんな当たり前の常識を覆すのが、やはりプロレスの世界です。

プロレスラーは、試合相手のレスラー以外にも、レフェリー、セコンド、果てには観客にまで戦意をむき出しにし、そして実際襲いかかったりします(笑)。

そういえば、あれは鳥取県倉吉市に住んでいた幼少期のことを思い出します。当時、倉吉にプロレスの巡業が来たんですよ、全日本プロレスが。

でもって、私も観に行ったんですけど、友達が襲われたんですよ、ブッチャーに(笑)。

パイプ椅子を投げた先に同級生がいて、太ももに椅子がヒットして、ちょっと青くなってました。。

今の時代だったら、とんでもないことになりそうなもんですけど、翌日、クラスではそれ、武勇伝になってましたからね。

ブッチャーに負傷させられた俺、ってことになってて。古き良き時代です(笑)。

で、

プロレスラーってそれだけじゃなくって、テレビの実況をやっているアナウンサーも襲うんですよ。

蝶野正洋は辻よしなりに、飯塚高史は野上アナに、大仁田厚は真鍋アナに、それぞれ牙を向けているわけです。

まあ、普通の想像すれば、実況の内容が気に入らない、ということですよね。

蝶野正洋によると、辻さんは実況じゃなくて、自分があらかじめ用意した辻語録みたいなものをただ喋りたくて、その材料にレスラーを使っている、だから怒っているんだ、っていうコメントを出してましたよね。

そういうのが、リング上から聞こえるらしいんですよ、ノイズとして。これは、プロとしては由々しき問題ですね。

大仁田厚の場合は、単純にアナウンサーに絡めばカメラにバンバン映れるから、というのが本音でしょうねw 大仁田劇場ですから。。

ここで考えたいのは、レスラー以外の対象に牙を向けることでレスラーは何が得なのか、ということです。

まず、これは試合運び以外に耳目を集めることができる、飛び道具的な意味合いがありますよね。

ただ試合をするだけじゃなくて、大の大人が突拍子もない行動に出ることで、オーディエンスに刺激を与えるという。

また、鍛え上げた自分と普通の体格のエリートサラリーマンとのコントラストっていうのも絶妙ですよね。何かヤバいことが起きるんじゃないかという、視覚的にみても危険な組み合わせです。

とにかく、

プロレスというのはレスラーが強さを見せてくれる場所でもあり、非日常の桃源郷だということですね。

 - 星野コテツ的プロレス論